天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

若き桜がこの土地に植えられてから数百年。

ようやく彼は、神に与えられた大役を果たす。

この土地に平穏を。

人間、人外、魔物、死神、亡霊、機巧。

様々な存在が集まった坩堝と化しながら、この土地には血が流れる事などなくなった。

争いなき土地。

そんな噂を聞きつけて、他の土地では住みづらくなった者達が、次々と若き桜を頼ってこの集落に集う。

集落はもう集落とは呼べぬほどに大きくなり、若き桜もまた、最早若き桜ではなくなっていた。