天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

神の力を分け与えられたとはいえ、所詮は若輩。

その桜の木を、住人達は嫌った。

何故に突然植えられた桜の木に、大きな顔をされて幅をきかされなければならないのか。

突然に争い事がなくなる筈もなく。

長い年月、小競り合いは続いた。

相手は魔物であったり、落人であったり、神の眷属であったり、西洋より渡ってきた機巧であったり。

若き桜は奮戦する。

時には敗北もあった。

が、決して諦めはしない。

神から与えられた役目を果たす為に。

枝を断ち切られた。

花を散らされた。

根が腐るほどに深手を負う事もある。

それでも、神に与えられた役目を果たす為に。