「あーおっかしかった、マリー先生の授業」

二階の窓、生徒達の声が聞こえて来た。

「!」

気づかれないように、そっと上を見上げる鞠子。

一人第三次世界大戦と、無口少女が話をしていた。

「修三が掻き回すから、マリー先生オロオロしてたねぇ」

『何だか気の毒だったね、一生懸命授業してるのに』

苦笑いする無口少女。

「でも健気にやってる分、どうしても意地悪したくなっちゃうんだよねぇ…なんか『いぢめてちゃん』の匂いがするんだよ、マリー先生」

ケタケタ笑う一人第三次世界大戦の言葉に、鞠子は肩を落とす。

いたたまれなくなってその場を去ろうとしたが。

「まぁお待ちなさい」

「!」

鞠子を呼び止める声。

気がつくと、いつの間にかベンチの隣に教頭が座っていた。