天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

だがしかし。

鞠子は無口少女の顔を見ながら思う。

こんな大人しい性格ながら、彼女は隣のクラスのスペシャルバカに恋心を寄せているという。

事件製造マシーン、口より先に手が出る暴力の化身、目付きも口も悪い暴虐の塊。

こんな小柄で、どちらかと言えば鞠子寄りの女の子が、あんな野獣のような男子生徒に惹かれるとはどういう事なのだろう。

それだけではない。

無口少女は、先程の熱血絶叫系の修三にも猛烈アプローチをかけられているらしいし、放課後や休日には、容赦なく生徒を殴打する完璧超人の生徒指導ともおかしな会議をしているという話だ。