天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

やがてチャイムが鳴り、無事授業が終了する。

「きりーつ、礼、あり…「有り難うございましたぁいやぁあぁあっ!」」

最後も修三のシャウトで締め括り。

その咆哮に圧倒されてヨタヨタしながら、鞠子は教壇を降りる。

ちょっと涙目なのは、絶叫が怒鳴られているみたいで怖かったらしい。

教室を出て、廊下を歩いていると。

『あの、マリー先生』

教室から追いかけてきた無口少女が、鞠子の背中をポンと叩く。

「あ、あら…何かしら?」

『この60ページのとこなんですけど…』

天神学園では比較的真面目。

無口少女は今日の授業で分からなかった点を訊きに来たらしい。

彼女の事は鞠子も割と好きだ。

いじめられっ子気質の鞠子をからかったりもしないし、強烈なキャラではないので臆病な鞠子でも付き合いやすい。

気が合いそうな気がする。