天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

甘党なのか味覚がおかしいのか。

ともかくモーニングコーヒーならぬモーニング角砂糖を飲み干し、鞠子は教科書を手にして職員室を出る。

一時間目は無口少女のクラスでの授業だ。

ガラッと教室の引き戸を開けると。

「きりーつ」

学級委員の声で生徒達が立ち上がる。

教壇に立つ鞠子。

「礼」

その声に。

「よろ「よろしくお願いしますぁあぁあっ!」」

他の生徒達よりも一際大きな声で挨拶する男子生徒。

(そ、そうか…)

その大声に驚いて、かけていた眼鏡を半分擦り落としながら、鞠子は思い出す。

(ここは修三君のいるクラスだったっけ…)