天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

「貴女は何をやらせても抜けているんです、不用意な行動は控えるようにと、僕のクラスの副担任になった時から、何度も、繰り返し、口が酸っぱくなるほど、しつこいくらいに、お聞かせした筈ですよね?」

「も、申し訳ありません…」

その語尾に『ご主人様』とつければ、完璧に主従関係だ。

というか、鞠子の頭の中では『高価な皿を割ってしまった新人メイドと屋敷の主』というシチュエーションが出来上がっているかもしれない。

「その謝罪も何度も聞かせて頂きましたが、回数ばかりが増えて、全く進歩がありませんね。京極先生、貴女教師でありながら、よもや学習能力がないなんて事はありませんよね?」

遠回しに責める毒舌教師。

流石毒舌教師、やんわりと心に突き刺さる物言いだ。

その鋭い言葉のナイフを。

「~~~~っっ」

まともに浴びせられて若干恍惚気味の表情を浮かべる鞠子。

やべぇ、筋金入りだよこの人。