その瞬間、メアリアンから笑みが消えた。
「お兄様…」
鈴を転がすような甘ったるい声。
その声を低く潜め、赤い瞳を細める。
「いやですわ、お兄様…小岩井お兄様の口から女性の事が語られるなんて…お兄様のような強くて優しい『人にあらざるもの』には、私だけを見つめていて欲しいのに…」
その感情は、愛ではない。
恋ではない。
敢えて表現するならば独占欲。
お気に入りの玩具を所有物として手の内に入れておきたい感覚に似ている。
どんなにそれを抱き締めようと、乱暴に扱おうと、首や腕を引き千切ろうと自由。
何故なら己の所有物なのだから。
「お兄様…」
鈴を転がすような甘ったるい声。
その声を低く潜め、赤い瞳を細める。
「いやですわ、お兄様…小岩井お兄様の口から女性の事が語られるなんて…お兄様のような強くて優しい『人にあらざるもの』には、私だけを見つめていて欲しいのに…」
その感情は、愛ではない。
恋ではない。
敢えて表現するならば独占欲。
お気に入りの玩具を所有物として手の内に入れておきたい感覚に似ている。
どんなにそれを抱き締めようと、乱暴に扱おうと、首や腕を引き千切ろうと自由。
何故なら己の所有物なのだから。


