天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

放たれる様々な槍を叩き落とす小岩井。

処刑人の剣の切れ味は恐るべきものだ。

叩き落としているにもかかわらず、槍は全て切断される。

金属製にもかかわらず、小枝でも断ち斬るように切断する。

その鋭利さを物語っていた。

「でもどんなに鋭利でも、私に近づけなければ宝の持ち腐れですね…ふふふ…」

微笑むメアリアン。

「小岩井お兄様…どうして死神になどなられたのです?…お兄様も元は幽霊…人外ではありませんか…魂を刈る死神とはいえ、人の世の秩序を守る存在などと…人外は人外らしく、私のような魔物と仲良くしていればよかったではありませんか」

『人間と人外は相容れない』

暗にメアリアンはそう語る。

しかし。

「どうでしょう…?」

全ての槍を叩き落とした後、静かに小岩井は語る。

「人外でありながら…半妖という宿命を背負いながら…人の世で、この学び舎で…人間と共に成長し、輝くばかりの笑顔を見せてくれる女性を…私は知っています…」