天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

距離をとり、構え直す小岩井。

メアリアンの胸は槍に貫かれているにもかかわらず、血の一滴も出ていない。

正確には彼女の胸を貫いているのではなく、彼女の胸の手前の『空間』から槍は飛び出しているのだから。

「ほら、どんどん行きますよ…?」

メアリアンの微笑と共に。

トライデント、パルチザン、ジャベリン、ランス!

様々な種類の槍が飛び出し、矢のように小岩井に襲い掛かる!

メアリアンの能力は性質が悪かった。

どんな武器でも『飛翔して』襲い掛かってくる。

剣だろうが槍だろうが戦斧だろうが、投擲武器のように放たれるのだ。

間合いなど関係ない。

どんな武器も、近距離だろうが遠距離だろうが問わずに使用してくる。

剣という限られた間合いの武器では、不利だった。