「なんかあるんスか?用務員さん?」

男子生徒達がニヤつきながら小岩井を見下ろす。

「俺ら間違った事言ってねぇスよねぇ?」

「飲みかけだろうがドブに落ちてようが、ゴミ片付けるのが用務員さんの仕事スよねぇ?」

「…………」

無言のまま、空き缶をゴミ袋に入れて歩き出す小岩井。

「うはっ、ダッセ、何も言い返せねぇでやんの」

「うだつの上がらねぇっつーんだろ?ああいうの」

「ツレェよなぁ、生徒と揉め事起こしたらクビだもんな、クビ」

「このご時勢だもんよ、やっとありついた仕事にはしがみついとかねぇとな」

嘲笑にも似た男子生徒達の会話が、小岩井の耳に届く。