天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

コロコロと足元を転がる空き缶。

飲みかけだったらしい。

残った中身のコーヒーが飛び散り、小岩井のツナギを汚した。

「あーあ!きったねぇ!用務員さんにかかっちまったじゃねぇかよ!」

「いんじゃね?どうせ汚れる為のツナギなんだからよ!」

二階から聞こえる声。

小岩井が見上げると、茶髪、金髪、モヒカン…如何にもといった髪型の男子生徒数名が、ニヤニヤしながら窓から見下ろしていた。

「すんませぇん、その空き缶片付けといて下さぁい、用務員さん」

「ゴミ片付けるのが仕事なんスよね?拾って捨てといて下さぁい」

「俺の飲みかけの汚ぇ空き缶ですけど!ぎゃはははははっ!」