天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

用務員の仕事というのはなかなかに忙しい。

拾ったゴミを焼却炉で処分している間に、小岩井は竹箒で桜の木の下の落ち葉を掃く。

「おぅ小岩井、精が出るな。いつも教頭だけじゃ、しんどそうだかんな」

掃除中の小岩井に声をかけたのは花王。

「しっかり手伝ってやってくれや」

「はい…花王さん…」

「何でぇ、相変わらず蚊の鳴くような声だなぁ、もちっと声張れや」

豪快に笑いながら小岩井の背中を叩く。

その流れで肩を組み。

「で…どうでぇ、死神の体になって…」

花王は声を潜める。

「…………」

花王なりに小岩井を心配してくれている。

その事が嬉しかった。

「少しずつ…慣れていこうと思います」

小岩井は呟いた。