天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

死神少女の言いたい事は理解できる。

天神学園に、『高等霊』小岩井の武勇伝は数多い。

しかしながら、ここにいるのは『死神末席』小岩井だ。

タイマントーナメントで立ち合った小岩井の実力を疑う訳ではない。

だが、霊体と受肉した体とでは勝手が違うだろうし、何より小岩井は『死神』としての経験が皆無だ。

そんな状態で、万が一メアリアンが『人外』としての本性を曝け出したりしたら…。

「私には」

死神少女の言葉の真意を読み取り、小岩井は言う。

「この学園に守りたい人達が沢山います…」

昨日お茶に誘ってくれた屈託なく笑う少女、ひたむきに強さを追求する少年、保健室で笑い合った友人達、そして何より雪菜…。

その言葉だけで、小岩井の決意は伝わってくる。