天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

メアリアン・コリック。

上級の死神である少女は勿論、末席である小岩井でさえ、彼女の異質さは容易に感じ取れた。

今だから言うが、天神学園に影を操る魔物が潜伏していたという事が判明した時、死神達は厳戒態勢を敷いたものだ。

彼女…と言っていいのか、あの存在は性別すら怪しいというから…が今も尚、大きな『行動』を起こさない事に、不思議がる死神さえいる。

メアリアンは、そんな影を操る魔物に近い匂いがするのだ。

「そうですね…早急に確認をとるべきかもしれません」

呟く小岩井。

「ただ心配なのは…」

死神少女は、パチンと懐中時計の蓋を閉じる。

「その間、天神学園の死神は貴方だけになります…小岩井さん」