天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

「じゃあ今日もいつもの時間に迎えに行くから!準備して待っててくれよ!」

言うだけ言って電話を切る逸男。

いつもの時間というのは午前7時15分。

今から15分後である。

小夜はまだ起きたばかりだというのに。

女性は身支度に時間がかかるとか、そういう配慮はないのだろうか。

何処までも空気の読めない逸男である。

「こうしちゃいられない!」

彼は食事終了後の食器をマッハで洗い、制服に着替える。

勿論寝癖などつけていない。

髪の一本も乱れぬ完璧な身だしなみ。

そして出かける前のいつものチェック。

「電気よし!ガスよし!窓の施錠よし!」

靴を履いて玄関の鍵をかけ。

「戸締まりよし!行ってきます!」

五部屋向こうまで聞こえるようなデカイ声で叫び、逸男は出発するのだった。