たっぷり一時間を費やしてジョギングから帰宅した後、シャワーを浴びる。

この寒いのに冷水だ。

何故って、その方が身が引き締まるからだとか。

心臓麻痺が心配である。

朝食だって自分で作る。

今朝のメニューはほうれん草のお浸し、焼き魚、味噌汁、白菜の漬物、ご飯。

漬物だって自分で漬ける徹底振り。

「いただきますっ!」

両手を合わせ、無駄に大きな声で叫んだ後、ご飯を掻き込み漬物を口に運ぶ。

「この塩加減!いい具合に漬かったなあ!…ん、そうだ!」

彼は勢いよく立ち上がって漬物を小皿に取り分けると、近くのヘッドフォン男子の部屋に行き、ドアをノックする。

美味い漬物が出来たので朝飯に食ってくれとお裾分けしに行ったのだ。

無論ヘッドフォン男子はまだ寝ていた。

「朝食は食べないと!一日の元気の源だからなぁ!はっはっはっはっ!」

「…………」

無性に発砲したいヘッドフォン男子である。