「それで、ですね…」

雪菜は困ったように切り出す。

「実は…私、今お家を勘当されている不良娘の身でして」

「雪菜さんが?」

こんな真面目な娘が勘当とは。

あまりにも意外で、小岩井は少し目を丸くする。

「今晩もどうしようかなと思っているんですが…」

「…お母様とは、お話されたのですか?」

「いえ、まだ…」

「でしたら早いうちにお話された方がいいです…今夜の所は、自分が教頭に貸して頂いている学園の宿直室に泊まって下さって結構ですから…」

小岩井の提案に、雪菜が一気に赤面、ドライアイスのような湯気を噴き上げる!

「そそそそ、そんな!小岩井さんと一つ屋根の下で一夜を明かすなんて!」

「いえ…自分は校舎の見回りをしますので、宿直室には殆どいませんが…」

「あ…そ、そうですかっ…」

がっかりやら恥ずかしいやら。

雪菜、二度赤面。