天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

「前に小岩井さん…私の作ったかぼちゃプリン食べたいって言ってたから…それで今日作ってきたの思い出して…教室に取りに行って…戻ってきたら…小岩井さんがうさぴょん先輩と話してて…」

混乱するように言葉を紡ぎ出す雪菜。

「小岩井さん…あの保健室でお茶を飲むのを趣味にしていた幽霊さん…あぁ…!…思い出した…あの幽霊さんの名前も小岩井さん…でも…今目の前にいるのは幽霊じゃない…用務員さんの小岩井さん…それに用務員さんの小岩井さんは死神で…」

記憶が錯綜する。

頭を抱え、しゃがみ込む雪菜。

…見ていられない。

「彼女の…記憶の消去を」

死神少女に言う小岩井。

しかし。

「いやですっっっっ!」

雪菜は強い語気で言い放った。

「小岩井さんの事忘れるのは…いやですっ!」