天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

それから、雪菜は小岩井と少しばかり他愛ない話をした。

したのだが。

「小岩井さん」

彼の名を呼ぶ度に。

「っ!」

頭の中を走る、小さな閃光。

「小岩井さん」

まるで何かを思い出せと、脳が信号を送っているかのような刺激。

痛みというにはあまりにも小さすぎる刺激だが、それでも気になる。