言われもしないのにチョークを手に取り、男子生徒は名前を書く。
「火ノ八木 逸男(ひのやぎ はやお)だぁっ!『逸る男』と書いて逸男!逸男って呼んでくれ!エビバディリピートアフターミッ!カマンッ!」
無論誰も言わない。
「どうしたどうしたぁっ!はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」
手拍子しつつ教室を歩く逸男。
どうしてそんなに熱いんだ火ノ八木 逸男。
「恥ずかしがってちゃ友情は育めないぞ!まずはそこのポニーテールの君っ!」
方向音痴弟を指差して白い歯を輝かせる逸男。
「は、はや…」
「オッケェエェェエィッ!」
いや、まだ呼んでないぞ。
「火ノ八木 逸男(ひのやぎ はやお)だぁっ!『逸る男』と書いて逸男!逸男って呼んでくれ!エビバディリピートアフターミッ!カマンッ!」
無論誰も言わない。
「どうしたどうしたぁっ!はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」
手拍子しつつ教室を歩く逸男。
どうしてそんなに熱いんだ火ノ八木 逸男。
「恥ずかしがってちゃ友情は育めないぞ!まずはそこのポニーテールの君っ!」
方向音痴弟を指差して白い歯を輝かせる逸男。
「は、はや…」
「オッケェエェェエィッ!」
いや、まだ呼んでないぞ。


