天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

ゾンビらしくないコルプスに、一同困惑。

小岩井も彼の存在を確認後、人間に害を及ぼすようなら『死神の掟』に則って魂を回収しようと考えていたのだが。

「これでは無闇に魂を刈り取る訳にはいきませんね…」

小さく呟く小岩井の横で。

「…………」

何を思うのか、雪菜がじっと彼の横顔を見つめている。

ともかく、特に危険のないコルプスの様子から、このままにしておいても良いと判断。

「あまりお邪魔してもよくありません…自分らはここで失礼しましょう」

小岩井はあっさり踵を返す。

「ちょ…彼は放っておいていいの?」

「ええ…悪意は感じられませんし…」

ルイの問いかけにも振り向かず、小岩井は歩き出す。