天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

人権侵害に悩むゾンビとは、時代も変わったものだ。

「何だ…化け物が出てきたから封印してやろうかと思ってたのに」

ルイの描いた絵を実体化させる式神の能力は、更に印を付けた物や生物を絵として封印できるまでになっている。

ここは早速新しい術を試せるチャンスだと思ったのだが…。

「あのね、君、ちょっとそこ座りな」

「は?」

「いいから座りな!」

物凄い剣幕で怒るコルプスに、渋々正座するルイ。

「そうやってねぇ、外見だけで人を化け物とか言っちゃって封印とかするの、よくないよ?人それぞれ事情があるんだから」

「はぁ…」

「たとえば吸血鬼とかさ、好きで血を吸ってるんじゃないかもよ?血を吸わなきゃ生きられないから仕方なく吸ってるかもしれないんだから。それを人間の都合で、やれ化け物だ、やれトマトジュース飲めだ言ったら可哀相でしょうが」

いや、トマトジュース飲めとかは言ってないんですが…。