天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

ガタンガタン!と。

地下室の奥から物音が聞こえた。

「ひぃっ!」

小岩井の腕にしがみ付く雪菜。

勝気なルイも、流石に足を止める。

「…下がって下さい…自分の前には出ないように」

いつでもエクセキューショナーズソードを抜けるように準備を整えつつ、小岩井が歩き出す。

地下室の最深部はすぐそこだった。

階段を下りきった小岩井達。

そこで見たのは、1センチは埃を被った薄汚れた棺。

その棺が、揺れる。

無論誰も触れていない。

この場には小岩井達しかいないのだ。

ならば棺が揺らされる理由は『中に誰かいるから』に他ならない。

「…………」

身構える小岩井。

いつも持ち歩いているスケッチブックを開くルイ。

小梅ちゃんを召喚する雪菜。

緊張が走る中。