天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

このまま嘘を嘘で塗り固めていくのも不可能だろう。

小岩井は適度にぼかしつつ、この地下室の探索をする事を話す。

「探索っ?」

目をキラキラさせるのはルイ。

元々活発な性格だ。

こういう探検だの探索だのというのは好きらしい。

「テンジンジャーで出てくる悪者のアジトの参考にさせてもらうよ、この地下室」

意気揚々と入っていくルイ。

「わ、私は…」

不気味なところへ好き好んで入るほど、雪菜は怖いもの好きではないのだが、ルイに着物の袖を掴まれてしまったのだから逃げられない。

「怖いのいやぁああぁあ…」

半べそになる雪菜に。

「雪菜さん」

小岩井はポンと彼女の肩を叩いた。

「大丈夫です…何かあったら自分が守ります…」