実は死神少女が地区長の元に出向いている間に、一度、小岩井が死神の能力を行使するという要請が入ってきているのを聞いていた。

ちょうど死神少女が天神学園を発った日の放課後の事だ。

即ち、小岩井とメアリアンが刃を交えた時の事なのだが。

(上司を騙そうなんて、食えない人ですね、小岩井さん)

そんな事を思いながら見つめる死神少女にも、小岩井は何食わぬ顔。

「…まぁいいです。メアリアンさんに関しては、小岩井さんに一任しろという地区長の指示がありましたので…私は『影を操る魔物』の方の監視を任されています。二人同時に監視する事はできませんからね」