ゆっくりと校門を潜り、小岩井の傍らに死神少女は立ち止まる。

「留守の間、変わった事はありませんでしたか?」

無論、心配していたメアリアン・コリックの件について死神少女は訊いている。

「……ええ。普段通りです」

無表情で頷く小岩井。

「…………」

そんな彼の瞳を覗き込む死神少女。

何もかもを見透かすような眼が、小岩井をじっと見据える。

それでも尚、表情を変える事のない小岩井。

しばし、睨み合いにも似た視線の交錯が続くが…。

「小岩井さんが何もなかった、というのならばそうなんでしょうね」

死神少女はそれ以上の追及を諦める。