天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

「しかし…」

隻眼で、剣豪は校庭を眺める。

「複雑な心境ではないか?」

「何で?」

剣豪の問いかけに小首を傾げるこはく。

「ここはかつて、我らが二度目に刃を交えた場所…川蝉と黄昏で、初めて立ち合った場所だ…当時は互いに憎しみ合っていた。少なくとも良い思い出のある場所ではあるまい」

「そうかい?」

苦虫を噛み潰したような顔の剣豪に対し、こはくは歌うように言った。