天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

そう思った矢先だった。

「やってんなぁ」

校舎の方から声。

見れば、兄上が教室から顔を覗かせていた。

「兄上っ!」

ぱぁっ、と表情を輝かせるヤンブラコン。

(ああっ、兄上が見てくださっている!ここはかっこ良く華麗にこはく先生から逃げ切って、『おめぇなかなか出来るようになったな、どれ、今日は帰ってから道場で俺の相手でもじっくりしてもらうとしようか、久方ぶりにおめぇと剣を交えて汗をかくのも悪くあるめぇ』なんて言われるのよ!いやん兄上ったら、じっくり交わって汗をかくなんてっ、きゃあぁあぁっ!)

色々暴走して脱線して大惨事なヤンブラコンの脳内。

しかし。

「だがもう止しとけ。降参しちまいな」

兄上は可愛い妹に忠告する。

「俺っちでさえ奥方にゃあ命ギリギリまで削られちまうんだ。おめぇさんにゃ荷が重てぇよ…何も体育の授業で病院通いする事もあるめぇ」