天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ

「はわわわわっ…」

うろたえる雪菜。

アタフタしているうちに、こはくがロックオンする。

「次は雪菜さん、捕まえちゃおっかなぁ?」

にこやかに笑うこはくに。

「ごめんなさいっ!小梅ちゃん!」

シャランと音を立て、雪菜は風雪を操る扇、『小梅』を召喚する。

その一扇ぎで極寒の突風を発生させる雪菜だが。

「あれっ?」

気がつくと、目の前にいた筈のこはくがいない。

「ズルですよ雪菜さん、人外の能力を使うなんて」

頭上から声。

見上げると。

「はい、アウト」

ムーンサルトで雪菜の頭上を飛び越えつつ突風を回避したこはくが、彼女の背後に着地していた。