由真は雑誌をめくりながら言った。
それはそうだけど…。
そう思うとそれ以上なにも言えなかった。
今更講の所に行けない。
だって、『誤解されたくない』って、私と車両を変えるくらいだし、それだけ私を避けるのに、私から行って邪魔しちゃ行けないって…そのくらい…わかるもん。
そう思えば思うほど、身動きが取れなくなって行く。
誰かに…
気付いてもらいたい。
この…私の気持ちに…。
講の彼女を知りたいって…思う事はおかしいの?!
由真と里奈はわかっている。
もしも「見た」「知ってる」なんて言えば、歌音がひつこく聞いて来る事くらい。
「可愛いいの?」
「どんな性格?!」
「どこで知り合ったの?」
「どっちから告白したの?!」
その他諸々…
それを思うと、講介の事が不憫でならない。
彼女が出来て、初めて興味持たれるなんて…と、同情してしまう。

