学園恋愛事情


でも、講介からして見ればそんな事どうでもよかった。



『知りたいと思った』
それ、好きの始まりだろ?!



講介の表情はみるみる内に、悔しそうな…哀しそうな感じに変化して、今にも泣き出しそうだった。



「…講?!」



心配そうに覗き込まれるが、講介からして見れば迷惑極まりない。

好きな人に、いきなりそんなこと報告されて…笑っていられるはずもない。



好きの始まりに気付いてないの?!



講介は、ずっと昔から歌音のことが好き。

歌音の事は、何でも知りたい。
歌音の1番近くにいたい。
歌音の好きは、俺であって欲しい。

ずっと…そう思って来たのだ。




「…じゃ、どうするの?…付き合おうとか…思ってるの?」



やっと帰ってきた講介の返答に安心して歌音は話し始めた。



「まだ、そう言うんじゃなくて…。」