いきなり講介に怒鳴られた歌音は、びっくりしつつも講介に言い返す。
「だって超カッコいい先輩なんだもん!」
『カッコいいだぁ?』
講介は言い表せない嫉妬の感情を隠しきれず、表情に出ている。
歌音は歌音で、
『何で講にそこまで言われなきゃなんないの!』
そう、怒りが込み上げて来て、続けて話す。
「それに、知らないわけじゃないもん!!何度もコンクールで賞を取ってる先輩なんだもん、同科なら誰でもしってるよ!!」
声を張り上げた歌音に、講介は複雑な感情が込み上げて来る。
聞きたくないけど、聞いておかなきゃいけない。
自分の為に…
「…すき…なの?」
断らなかったのは…付き合いを考えたいからだろ?
俺なら速攻で断る!!
「そうじゃないけど…先輩の事、知りたいって思ったの。」
歌音は純粋に、初めて自分を好きだと言ってくれた人の事を知りたいと…興味本位で思ったのだ。
自分のどこを好きだと言ってくれたのかとか、どういう風に自分を見ているのかとか…知りたいと思った。

