「芸能界に興味無いので。」


腕を離した隙にその場を後にしようと動くと、また男に腕を掴まれる。



「もったいない!!君なら直ぐにトップ取れるのに!!」


「本当にイイですから!!」


「話だけでも!!」



迷惑そうに言っても、腕を振り払おうとしても…しつこく、食い下がってくる。



「私、コレから入学式で遅れられないんです!!」


「そんな事言って!こっちだって本気なんだから、はぐらかさないで!!」


「もう!!…本当に離してください!!」


「離し聞いてくれるなら離すよ?」



腕を掴まれ、そんなこんなで30分。

「離して!!」「離さない!!」
この2人のやり取りを観ていた周りの人達が、異様な雰囲気を察知して…

駅員さんや警察官まで来る始末。



事情聴取をされ、
スカウトマンは厳重注意で済んだみたいだが、由真は大遅刻!!



「入学式だって言ったのに!!」


泣きそうになりながら、大声で怒り叫ぶ。