桜木高校1年E組、
若木 杏(わかぎ あんず)は、
双子の姉、
若木 桃(わかぎ もも)を交通事故で亡くしました。

「桃が死ぬなんて…」
悲しむ家族。
一人部屋にこもった妹の私。
双子の姉妹の部屋、姉の机には沢山のトロフィーが飾ってあった。
母さんたちは姉を妹よりひいきしていた。
だってお姉ちゃんは何でも出来たいい子だったから。
ピアノも、勉強も、スポーツも、性格も…
見た目は全く同じなのに。
愛される量が全然違う…


桃姉が死んだ理由は私だった。
いつものように二人で帰っていたら、トラックが歩道に突っ込んできた。
桃姉は私の背中を押した。
私はギリギリ助かったが…、桃姉はトラックに引かれた。

両親が急いで来たとき私にこう言った、
「桃!大丈夫!?怪我はない?」
きっと引かれたのは私だと思ったのだろう…
「私…杏だよ」
そう言った時、両親の落胆した顔を見てしまった。


「私が死ねば…良かったのに…」
助けてなんか欲しくなかったのに。


翌日、いつも通り学校に行った。
「杏!?大丈夫だった?」
クラスのみんなが駆け寄ってきた。
「桃のこと…、辛かったでしょ?」
心配してくれてるんだ。
泣きそうになった…
「う゛んん、大丈夫だ…よ」
ポロポロと流れる涙は姉を亡くした悲しみか、自分の情けなさかわからなかった。