「みんなおっきくなったね~!」
一緒に飲みながらあれこれ話していたら、
「そういや8歳まで遊んでた子いたよね?」
いきなり冬子がしゃべった。
「あ、いたね。なんて名前だっけ?」
みんなが昔を思い出していた。
「京子ちゃんじゃなかった?」
七恵が思い出したように、
「そうそう、確かに行方不明になったよね。あの缶蹴りの日に…」
急に静かになった。
「やめよこの話」
「そうだね…」

いくらか酔いが回ってきたところで帰る事にした。
「みんな大丈夫?」
ふらついた足取りの皐月が笑いながらそういった。
すると、
「あれ…?あの信号にいるのって…、京子ちゃんじゃない?」
冬子が指差した先を皆が見た、
「誰もいないよ?」
二人も確認したが、やはり見えなかった。
「え!?でも…ってあれ?いない」
おかしなことを言う冬子に、
「この子そうとう酔ってるよ~」
と笑いながらタクシーに乗せた。


翌日冬子が亡くなったと知らされた。

お通夜で七恵と会った、
「冬子…、交通事故だったらしいよ…」
私は震える右手を押さえた。
「ねぇ、昨日冬子がさ…、京子ちゃん見たって言ったじゃん」
七恵は震えが止まらないのか、肩を押さえていた。
「冬子が交通事故に会ったのって…、京子ちゃんの呪いなんじゃ?」