その様子を驚いたように見ている彼
『あんた名前は。』
「楢橋由斗(ﾅﾗﾊｼﾕｲﾄ)」
『じゃあ由斗。あたしを今すぐここから出せ。あんたと戦って負ける気もしないけどあんたと…あんたが戦う相手はあたしじゃなくて莢斗だよ。』
あたしが由斗の瞳を見ながらそう言うと由斗は呆れたように笑い
なにやら携帯で誰かと電話し始めた
電話を終えた由斗はなぜかあたしの事を見つめたまま黙り込んだ
『…何…？』
「んーやっぱり可愛いなあって。茉夜ちゃん今日は帰してあげる。君がどんな女の子かはだいぶわかったしね。」
『最初のは意味わかんないけどあんた聞き分けいいのね。帰してくれないかと思ってた。』
「どうせ帰さないって言っても君はどんな手を使ってでも帰るんでしょ？」
そう言って由斗は笑った
