あたしが黙っていると莢斗はさらに言葉を続ける



「何があった。1人で背負い込むな。言え。今なら何も見なかったことにするその代わりあいつらには自分の口から言え。」



その言葉とともに莢斗はあたしの体を自分のもとへと引き寄せた



その瞬間莢斗の香水かはわからないが甘く爽やかな香りがあたしの体を包んだ



そして


――プツンッ


切れた



今まで無意識に押し留めていた感情が一気に爆発した



そして大粒の涙がボロボロとあたしの頬を伝う




毎日毎日あの夢をみているとだんだん夢なのかわからなくなってきて


だっていつまで経っても言い様のない悲しさと苦しさ、喪失感は消えてくれなくて


ただただ心に積み重なっていくばかりで


行き場のない感情をどうすればいいのかわからなくて溜め込んでいた


それが一気に爆発したあたしは涙を止める術もわからず莢斗の腕の中でひたすら泣きまくった