【短】それでも愛してくれるなら

「そっか…俺、とことん最悪な男だな」


力無く笑った藍を見て、胸がキュッと締め付けられた。

辛いのは…あたしだけじゃないんだね。


藍は優しいからいけないんだよ。

二番目の女のことなんて、普通は悩まないから。


気が付くと、あたしは藍を抱きしめていた。


「藍、ありがとう」


これからもずっと大好きだよ。


愛してるよ。


「紗由…?」


「別れよっか」


藍を傷付けるあたしなんか、藍には必要ない。


こんなバカなあたしでも、これからも藍が愛してくれるなら


きっと


笑顔で生きていける。




END