「美穂…さん?何だ?と言われても…」

初対面の彼女に、「あ、はい飛鳥と結婚してます♪』なんて言えるはずが無い。

これはもう“従兄弟のお兄ちゃん”で通すしか無いだろう。

「ただの従兄弟のお兄ちゃんです」

にっこり笑って答えるめぐみ。

「へー…従兄弟…飛鳥にこんな従兄弟いたっけな…」

ぶつぶつと独り言を呟く美穂。

「よし、帰って良いぞ」

いきなりそう言われたのでめぐみは驚く。

「あ…じゃあ帰るね」

そしてめぐみは旧図書室を出た。