教室に行くと伊織に驚かれた。



「なんか最近あんた来るの早くない!?遅刻の常習犯なのに!!」


「それ、誉めてんの?けなしてんの?」


「嫌だな!!誉めてるのよ!!」



そう言いながら肩を叩く伊織の力は強くてその細っい体のどこにそんな力があるんだって思う。



「陣先輩達のおかげかねぇ?」


「なんで陣先輩達のおかげなのよ。」


「だって?蓮に恋を教えた人だからねぇ?」


「ん?」


「ん?って蓮、あんた気づいてなかったの?」


「え?なにが?」


「はぁ…。もういいわ。どうせ近いうちに気づくでしょ。」



そう言う伊織を不思議に思いながら、先生が教室に入ってきたから席についた。



「起立。礼。着席。」


「おはよ~!!今日も元気に行くぞ~!!」



担任の適当な挨拶だけで終わった。
窓側の席の私は校庭を見ていた。



「あ、鈴村~!!」


「はい?」


「保健の先生が呼んでたから行って来い。」


「今ですか?」


「今だ。」


「分かりました。」



そう言って保健室に向かった。

なんの用なのかな?



「失礼します。」


「あぁ!!やっと来てくれた!!」


「なんですか?」


「陣のこと任せてもいいかしら?」


「え?」


「こいつ朝から高熱あんのに来てさ、さっきぶっ倒れたのよ。」


「ぶっ倒れたって…。」


「で、私今から出張だから陣の世話してほしいの。よろしくね?」


「ちょっ!!」


「陣が帰るって言ったら一緒に帰って親が帰って来るまで様子見ててね?バイバイ!!」



それだけ言って真美先生は颯爽と行ってしまった。


にしても、高熱でぶっ倒れてまでなんで学校来たかな…。

呆れながら、陣先輩が寝てるベッドに行った。
苦しそうに汗かいて眠っていたから額にあるタオルを水でしぼって、額に置いて別のタオルで汗をふいた。