海鈴君は返事を聞くと電話を切った。
後ろでお兄ちゃんが、かわれって騒いでたけどもうかかってくることはなかった。


海鈴君と約束したし…。帰らなきゃ。

帰ったら謝る!!


叩かれるの覚悟で家に向かって歩き始めた。
電話がきてから10分以上は経ってるからもうお兄ちゃん達は帰ってるよね?


しばらく歩いていると家の近くに来ていた。
俯きながら歩いていたから人がいることに気づかなかった。



「蓮?」



その声に顔をあげると、


「お兄ちゃん…。」


「蓮!!」



家の前に立っていたのはお兄ちゃんだった。

お兄ちゃんは私だと確認すると抱き締めた。



「蓮!!無事でよかった!!こんなに冷たくなりやがって…。早く家入れ!!」


「う…ん。」



お兄ちゃんと家に入ると玄関にはママとパパが立っていた。



「ただいま…。ママ…パパ。」


「「お帰り。蓮。」」



ママは涙を流しながら私を抱き締めた。
パパは瞳に涙を溜めながら頭を撫でてくれた。



「心配したのよ?」


「怪我はないんだよな?」

「心配かけてごめんなさい…。」


「蘭のこと叱っといたからね?もう家出なんてしないでね?ママ達寂しくなるから。」


「はい。」


「リビングに海鈴君達いるからお礼言いなさい?皆蓮のこと探してくれてたのよ?」


「うん。」



ゆっくりとお兄ちゃんと一緒にリビングに入った。
中には海鈴君達が私を見て安心したように笑っていた。



「あの…ご迷惑おかけしました。怪我もなく無事に帰りました。」


「怪我がないならよかった。」


「それと、酷いこと言ってごめんなさい。お兄ちゃんもごめんなさい。大嫌いなんて嘘だよ。大好きなんだ。」