「クソッ!!」



蓮が部屋から出ていってから自分の部屋に入った。



「言い過ぎたか?」



蓮…。
俺は、お前が妹でも家族でもねぇなんて思ったことは一度だってないんだ。
自慢の妹なんだ。
頭がよくて、性格もいい可愛いたった1人の妹なんだ。
家族じゃないなんて一度だってないんだ。
蓮がいなかったら家族なんかじゃねぇ…。
お前がいなかったら寂しすぎて悲しすぎて辛すぎて俺は…ッ!!



「ごめんな…ッ…蓮?早く帰って来いよ?」



そう呟いたのと同時に、
バンッ!!とドアが開いた。

ドアに視線を向けると海鈴達がいた。



「おい!!蘭!!蓮が家出てったぞ!?いいのか!?」


「あぁ。分かってる。」


「蘭!!蓮に何を言ったんだ!?」


「お前等に関係ねぇだろ?俺等の問題だ。首突っ込むな。」


「今は、そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!?」


「……。」


「探さなくていいのかよ!!」


「………。」


「黙ってねぇでなんとか言えや!?」



何を言われても黙ってる俺を見て珍しく海鈴がキレた。
俺を殴ろうとした海鈴を恋汰達が止めに入った。


「おい!!止めろ!!」


「海鈴落ち着け!!」


「今は、蓮ちゃん探すのが先だろ!?」



そう言うと海鈴は俺を睨んだまま腕を下ろして胸ぐらを掴んでいた手も離した。



「…チッ!!いいか!?このまま蓮が帰って来なかったら俺はお前を許さねぇからな!!」



そのまま部屋を出て外に出たのが音で分かった。


「蘭。海鈴が言ってることも一理ある。なにを言われたかわかんねぇけど少し頭冷やせ。」



それだけ言って蒼太達も部屋を出て玄関から出ていった。

しばらく部屋で考えて蓮を探しに行くことにした。

あれは完全に俺が言い過ぎた。

今更遅いかもしれねぇが蓮に謝りてぇ…。



「頼むから無事で居てくれよ。」



携帯と財布を持って部屋を出た。

とにかくあいつが行きそうなとこに行ってみよう。