そのまま一緒に家まで行くと海鈴君が外でタバコを吸っていた。



「海鈴く~ん!!」


「お!!蓮!!お帰り♪」


「ただいま♪」


「こんちわ。海鈴さん。」

「おー!!陣か?懐かしいな!!」


「そースッね。あの蘭さんは?」


「中で説教中。ずっと正座させられながら怒られてる。」



海鈴君はお兄ちゃんを可哀想に思ったのか切なそうに空を見た。

中に入ったら巻き添えくらうってことか…。

だいたい海鈴君が外にいるときは中に入らない方がいいことを知っている。
中に入ったら最後。お兄ちゃんと一緒にお叱りを受けてしまう。



「じゃ、まだ中に入れないね。」


「そうだな。もう少ししたらお母さん達どっか行くらしいからそれまで待ってよう。」


「うん。」



そんな私達のやり取りを不思議そうに見ながらも私の隣に腰を下ろした。


「海鈴君、部屋のドア直った?」


「あぁ。なんとか直した。ほぼ俺と器用な蒼太しか動いてなかったけどな。」

「蒼太君はなんでも直しちゃうからね?器用な人って羨ましいよ。」



蒼太君はお兄ちゃん達の中学の時からの友達。
手先が器用でなんでも出来ちゃうイケメンさん。でも海鈴君のほうがイケメンさんなんだよ?

他にも、中学の時からの友達は源太君に彼方君。それから、翔君に恋汰君がいる。
ちなみにこの前来てたのは彼方君。



「おーい!!海鈴~!!お前が好きなコーヒー売り切れだったからココア買ってきたぞ?」


「あぁ?ココアかよ。」


「文句言うなら返せ。」


「誰が返すかバカ。」


「あの~…。恋汰君?お取り込み中のとこ悪いんですけどもしかして恋汰君もドアを直すの手伝ってくれたの。」



そう言った私の顔を見て走ってきた。
なんだか大きい瞳がウルウルしていて可愛い。



「蓮ちゃん!!久しぶりだね!!元気だった?俺、蓮ちゃんがほっぺた叩かれたって言われたとき心臓とまっかと思ったんだよ!?赤くなって泣いたって聞くしもうほっぺたは大丈夫なの!?なんで俺、蓮ちゃんのこと迎えに行かなかったのかな?行ってたらあんなことになんなかったかもしんないのに…。本当にゴメンね?」