「話してごらん?ゆっくりで言いから。」



そんな優しい声で背中をポンポン叩きながら聞いてくる海鈴君の首に腕を回して肩に顔をくっつけて話始めた。



「うぅ…。ヒッ…。学校から…ヒッ…ク…しん…た…先輩と帰って…たらうぅ…。前からさく…ら高校の人が…来てぇ…ん~…。」


「ゆっくりでいいんだよ?泣きたいなら泣いてからでいい。」


「大丈夫だ。ちゃんと待ってる。ほら、ほっぺ冷やしとけ。赤くなってらぁ。」



優しく笑ってほっぺに氷を当ててくれた。
お兄ちゃんの友達も中に入ってきて私を優しく見守ってくれた。



「蓮ちゃん?泣いていいよ?」


「あのとき泣かなくて強かったね?」


「今、泣いちゃえ♪怖かったろ?すぐに助けに行けなくてゴメンね?」


「蓮…。」



皆が優しい言葉をかけてくれる。
そんな優しい言葉をかけてくれる皆を見て泣けてきた。



「うわぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!!!!!!」


「クスクス…。」


「デケェ泣き声。」



泣いた私を見てやっぱり優しく笑う皆はほんとに根から優しい人なんだと思った。

泣いてる私を海鈴君が抱き上げてリビングに向かった。
抱いたまま海鈴君はソファーに座ってお兄ちゃんは冷やしたタオルと温かいタオルと飲み物を取ってきてくれた。


しばらくして泣き止んだ私はゆっくりあの時のことを話始めた。
皆が怖い顔をして聞いていた。



「それで蓮ちゃんには怪我が無いんだね?」


「うん…。」


「ほっぺだけ?」


「うん…。」


「なら良かった。怪我がなくて…。」


「は?怪我してんじゃねぇかよ。」


「少しだろ?痕が残らないから安心だろ。」


「痕が残ってたらどーすんだ。」


「もちろん。殺すよ。」



私のほっぺを優しく撫でて笑いながら言った海鈴君が怖かった。