｢さぁな。蓮、もう教室戻れ。一人で大丈夫か？｣


｢はい。大丈夫です。｣


｢気をつけてね？また転んだらここに逆戻りよ？｣


｢はい。お世話になりました。失礼しました。｣



静かに扉を開けて頭を下げて保健室を出た。
扉を閉めるときにチラッと信太先輩と目があった。
信太先輩は驚いた顔をしていた。

首を傾げながら教室に向かって歩いた。
教室では授業が始まっていた。



｢すいません。怪我して保健室に行ってました。｣


｢そうか。大丈夫か？｣


｢はい。｣


｢じゃ、席につけ。｣


｢はい。｣



自分の席に着いたら前に座る親友の伊織に｢ドジ。｣って笑われた。

授業が終わって｢なんで転けた？｣って聞かれたから１から全部説明したら



｢うそ!?あの陣先輩にお姫様だっこされたの!?羨ましいわ～!!しかも信太先輩とキスができそうな距離まで顔を近づけられたなんて!!｣



とうっとりしていた。