「本間に覚えてへんのな」


関口先生は、どこか悲しげな顔をして
うちを見た。


「俺やで?
大阪おったときに隣の家に住んどった。
堀内 圭太ゆうた方がわかる?」


堀内 圭太……って…


「圭兄?!嘘やん…」


圭兄とは、
7年前あたしが大阪に住んでたとき
隣の家に住んでたお兄ちゃん。


うちには、兄弟とかいてへんかったから
圭兄のことを
本間のお兄ちゃんみたいに慕ってた。


「でも、圭兄は大阪にいるんじゃ…?」