「どしたの?ん、ジュース」


新垣は隣の自販機で
もう一本ジュースを買い、あたしにくれた



「ちょっと、ね。へへ」



余計な心配はかけたくない。
新垣は優しいから。




どすっ


あたしの隣に座り込み、
ふてくされた表情をした。



「優衣まるさぁ、俺お前のこと好きだって言ったよね?」



「…そうだね」



「優衣まるが市川先生好きなように
俺も、優衣まるのこと好きなんだよ。」



「…うん。」



「優衣まるは、市川先生のちょっとした変化にすぐ気づくよな。髪を少し切ってる、とか。今日は疲れ気味だなとか。お前言ってたもんな」



新垣はベンチの肘掛けに頬杖をつきながら
あたしの顔を見つめた。




「だから、俺にもお前のちょっとした変化はわかるよ。隠したってわかるから。」



優しい顔であたしの頭を撫でた。