「彼氏気分っても…わかんないな…。
手繋ぐわけにもいかないし…、わっかんね!」
カップルらしいことを何一つしていない
あたしと先生。
先生より先に手を繋ぐのは
新垣の気が引けるみたいで。
確かに、先生より先に手を繋ぐのは
いやだなぁ。
新垣は気持ちがわかってる。
「もういいや!普通にしよ。
俺、往生際わるかった!!」
上を向き、目を瞑りながらそう言った。
「うん、ありがとう。
新垣はさ、本当に優しいよ。
気持ち分かってくれるし、あたしらのこと許してくれるし。」
「ははっ、優しいかぁ~…っ」
ため息混じりに呟いた。
「よし、早く行こ!」
また彼は走り出した。