きっと新垣は今夜涙を流すんだ。
一人っきりで。

でも、あたしは
先生と付き合ってなくても
告白を断わっただろう。




「あ、先生!小宮ちゃんの件、ちゃんとしなよ?優衣まる傷つけることしたら、すぐ奪っちゃうかんなぁーっ」



そうだ。
いま、先生の手には
担任の小宮先生からのハンカチがある。



「え、これ何かあんの!?」


目を丸くしてハンカチを指差す

この顔可愛い…っ




「しーらねっ、行くからー!」

「あ、先生またねっ」



走り出す新垣を追いかけて
先生のいる二条城を後にした。